平成15年(2003)文月(7月)23日
今日は暦の上では「大暑」だが、大阪も東京も涼しくて、私は家で長袖のパジャマを着ています。地球規模の異常気象らしい。
先週、19日と20日、那須塩原で行われたSF大会に行って来た。第42回目だそうだ。豊田(有恒)くんとチャコちゃんが赤いCHARIOで連れて行ってくれた。田中の光(二)ちゃんとは現地で待ち合わせ、夜は三人で「SFボケボケ放談」をして、SFファンを煙に巻いた。900人も来ていたそうで、ホテルニュー塩原の大宴会場は立食形式でオープニングセレモニーをやったが、ぎゅう詰め状態だった。こんなにたくさんのSFファンがいたのかと、びっくりした。ありがたいことだ。
「特別室」と銘打った我々の部屋に、生意気のタケ(高千穂遙)やバンちゃん(一本木蛮)、コマケンなどを呼び込んでよくしゃべり、よく飲んだ。どうも、明け方トイレの前で転んだらしいが、よく覚えていない。脇っ腹が痛いのはそのせいのようだ。いつものように、オニ秘書におこられ、それでも擦り傷には絆創膏、脇っ腹には湿布薬を貼ってくれた。いや、世話をかけます。悪いネ。でも、楽しかったよ。
21日は、「海の日」とかで休み。都心もさすがに車の音もなく静かで、「日本映画専門チャンネル」で放送する黒澤明の映画についての思い出を事務所で収録した。8月に毎日10分ずつ放送するらしい。私は「素晴らしき日曜日」で感激し、「野良犬」でスゴイと思い、「羅生門」は4回か5回観に行った。しかし、当時の京大映画部の連中からは、「権力の手先を英雄視するやつは、けしからん」といわれたものだ。でも、黒澤明の映画は、その当時から子供も大衆も引きつける力を持っていた。それは、黒澤監督の、市井の人々の何気ない日常からその裏に潜む人間関係や感情を読みとる観察眼の鋭さ、そこから読みとる洞察力、そしてそれらを効果的に構成する才能によるものだと思う。わたしは、「赤ひげ」までしか観ていないが、絶妙な音楽の使い方も相まって、白黒の映像から、豊かな色彩を感じさせてくれた。
平成15年(2003)文月(7月)15日
昨日はパリー祭。1789年、いまから214年前のこの日、バスチーユ監獄を襲撃してフランス革命が始まった。ルイ16世はじめマリー・アントワネットなど多くの血がギロチン台に流れ、今日のフランスがあることを、多くのフランス人はこの日に思い起こすことだろう。美しいシャンソンも、それらの歴史をふまえているので、意味も深まり愛着も強くなるのだろう。
日本人にとっての「その日」というのは、いつになるのだろうか。「8月15日」では、あまりにも悲しい。それよりも「明治維新」こそが日本にとっての「革命」だったと思うのだが、如何だろう。それを記念する日にちを我々は、まだ持っていない。
平成15年(2003)ふみづき(7月)12日
7月のフロンティア3000研究会で、兵庫県立「人と自然の博物館」副館長の中瀬勲さんにお話しいただいた。
OHPとビデオテープで活発な活動の一部を紹介してくれたが、各地の子供や住民と一緒にその土地の環境や自然、動物の生態などを調べてその結果を一緒に検証することによって、いままで知られていなかった地元の川の詳細な生態系がわかったりする。それはあらかじめ予測できることではなく、研究者にとっても新しい発見だったりする。博物館の組織が、「学芸員」ではなく、「研究員」なので、「収蔵品の管理」が主体ではなく、人と自然に関すること何でも「調べる」楽しさを実感させてくれる人たちが、たくさん居るところらしい。三田(さんだ)といって、兵庫県では新しいベッドタウン開発されているところだが、だからこそ、新参者の人間が自然に「ごめんやっしゃ」といいながら、住まわせてもらう「相手」をよく知る必要性を感ずるところなのだろう。
「ひとキャラバン」といって、どんどん日本各地に出かけていって活動しているようだが、わたしも是非一度、博物館に足を運び「裏方」をのぞきに行きたいと思っている。