平成17年(2005)きさらぎ(2月)19日
東京から御殿場へ行くのに、新宿からロマンスカーで御殿場へ行き、あとは車で行く。
昨晩の雪が、東京では氷雨だが、多摩川をこえたとたんに地面や屋根に雪が積もっているのには驚いた。ロマンスカーも乗り心地よく、ちょっとした旅行気分だ。
御殿場の駅前のホテルで一服し、時間を調整。鬼秘書はお腹が空いたとランチを食べているが、私は何も食べる気にならない。何をされるのか、心配なのだ。
車で20分、予約時間よりも1時間も早くついてしまった。しかし、一階の酒店で休もうかと思っていたら酒屋は休み。外階段を上って2階へ行き、待合室で待つことに。当然「禁煙」で、ニコチンがきれたら玄関の外に出て、雪景色の川に湯気を出して流れ込む温泉だか何かをながめながら一服。
時間が来て、治療開始。横になって、まず筋肉をほぐして骨盤のねじれをもう一度矯正。腰にアイシングパッドを乗せながらアルファー波の振動をあたえる機械で10分。それから高周波の治療器で10分。こんど来るまで、毎晩アイシングをするようにいわれる。これだけだ。どうも、筋肉を再生させるための刺激らしい。
事務所で珈琲を入れてくれ、そこで煙草を吸いながら色紙を何枚か書かされる。俺も有名人だったのか!
三島まで車で約1時間。ようやくホッとして駅のレストランで日本酒の熱燗を一本。おいしかったね。「鯛飯」弁当を買って「こだま425号」に乗る。3時間かけて大阪に帰ったのであった。新大阪のプラットフォームに女房が迎えに来てくれたのは、嬉しかった。
平成17年(2005)如月(2月)13日
東京の絵画館前、神宮テニスクラブのクラブハウスの中で治療している、山田先生のところに女房とともに行く。
「エレクトロ・オペラ」など、大きなイベントを一緒にしてきた仲間の紹介で、頸椎ヘルニヤや椎間板ヘルニアだったら一度で直す、という名医なのだそうだ。「だまされたと思って、とにかく来てください」といわれて、女房も半信半疑ながら、日曜日に東京に出てきた。
絵画館は、桑田君と最初の仕事、「日商百年」のイベントをやったところ。銀杏並木の先にある絵画館の特別室に展示したのだそうだ。「思い出の場所です。因縁ですね。」といいながら桑田君が案内してくれるのだが、歩かされる方は、そんな感慨に浸っている余裕はないよ。ようやくクラブハウスに着いたら、3階まで階段を上れという。桑田君は体が大きいので、左側を持ち上げて、支えてくれた。
なんとか3階にたどりつくと、待合室に、なんと、「エレ・オペ」の時のプロデューサーと音響の連中が来ていた。かれらがそもそもの最初の縁らしい。重たいPAをかついだりするからね。なんだ、エレ・オペの同窓会になっちゃった。
治療室で山田先生、開口一番「椎間板ヘルニアは、74歳の人間はなりません。だいたいが、脊柱管狭窄症なんです。立ったり歩いたりすると痛いけれど、座ったり寝ているときには痛くないでしょ」。たしかにそうだ。丸めた背中に触って、聴診器を当てたりして、「やっぱり、そうですね。5回通ってください。必ず直ります」といわれた。本当かね。しかし、この治療は、御殿場の本院で受けなければならないそうだ。神宮へは、月に一度、東京の患者のために出張して来るだけなのだそうだ。コンピュータ制御の機械を使うので、本院に行かなければならない。今日は、骨盤のズレを直してもらい、テーピングをして、これから3日間氷で腰を冷やすよういわれる。氷を袋に入れて直接腰にあて、10分間。それ以上やってはいけないとのこと。
帰りに、肩の左右のゆがみが小さくなったような気がする、と女房。さて、どうなることか。
平成17年(2005)きさらぎ(2月)8日
箕面市立病院の整形外科で、手術をする場合の執刀医の診断。
MRIやレントゲンの写真を一覧しながら、「まぁ、いろいろとありますけれど、一番困っていてまず直したいと思っていることはなんですか?」と聞いてきた。
私は「歩行困難なことですな」といった。「それには、腰を治すことです。」といって、腰椎の映っている写真をとりだした。「第4と第5の間の椎間板がこのように突出していて、神経に障っています。どこに出しても立派な椎間板ヘルニアですよ。手術でこの突出部を削るという方法があります。」「その手術には、どのくらいの入院が必要なのですか?」「2週間です。」「それは出来ませんな。」
ズボンを脱がされて、筆の先でさわられたり、膝を曲げて医者と力比べをしたり、脚の指を曲げたりのばしたり、握力計を握ったり、いろいろやられて、確かに一部の麻痺反応はあるらしい。しかし、ひどい痺れや痛みはなく、脚が上がらないのである。
脚の血行不良は、血行をよくする薬のおかげで大分よくなったような気がする。
薬が効いているようだ、というと、「それでは、しばらく様子を見てみましょうか」ということになった。やれやれ。
午後の神経内科の診断でも、脳の萎縮や小さな梗塞の跡があるが、これが原因で歩行困難になっているとは考えられない、とのこと。前部に動脈瘤のようなものがあるが、詳しくは神経外科の診断を仰いでくれ、とのこと。これは二年前にも指摘されていたものだが、すぐにどうということはないだろうから、くも膜下出血にならないよう、マイナス因子(酒・煙草・高血圧・尿酸値)に気をつけるようにと言われていた。寿命が先か破裂が先か、の問題だ。こんなことはどうでもかまわない。
東京から鬼秘書も来て、心配していたが、とにかくすぐに手術ということは回避できたので、ひとまず、ホッと安心。これからの治療方法をどうするかだ。